マウンド

マウンド

九州大学名誉教授 正山征洋先生所蔵のボタニカルアートを追加致しました。

マウンド

1835年マウンドにより描かれ手彩色による作品です。
上段右はキキョウ科のツリガネニンジンに近い種、左はアオイ科の植物、左はジャノヒゲに近い種です。
学名Ophiopogon spieatusからオオバジャノヒゲの類似種で、中国では山麦冬と称し薬用としています。
ジャノヒゲの根の先が肥大化したものを集めて麦門冬と呼びます。
麦門冬にはステロイド配糖体であるオフィオポゴニン類が含まれています。
オフィオポゴニン類は糖類とステロイド類が結合したもので、糖類は水溶性、ステロイドは脂溶性であり界面活性剤の性質をもっています。
このため風邪が慢性化した時の痰が切れずひどく咳き込む時にのむ麦門冬湯に配合されます。
下段右はゲンノショウコに近い種でヨーロッパに自生しています。
恐らくゲンノショウコ同様加水分解型タンニンを含んでると思われますが、ヨーロッパには日本でゲンノショウコを下痢止めにするような習慣はありません。

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