抗認知活性を持つ生薬・中医薬
九州漢方研究会・長崎国際大学薬学部
正山征洋
九漢研リモート研修会 20211226
抗認知機能に関わるキーワードとして、アセチルコリンエステラーゼ、抗酸化、抗炎症、β-アミロイド、アポトーシス、記憶学習、LTP 等があり、それらについて論文検索するとおびただしい数の論文がヒットする。
最初に抗認知活性をもつ成分を拾い上げる。
次にそれら活性成分を含有する生薬についてリストアップする。
更に活性の認められた生薬を配合する中医薬を調べた。
この結果、遠志、人参、イチョウ葉、サフラン等と共に丹参エキスと丹参含有成分が強い抗認知活性を有することが明らかとなった。
丹参配合中医薬の中で、4種の中医薬が認知症に臨床応用されている。
これらの配合生薬についても触れたい。
また、心血管系の中医薬として丹参を配合した冠心 II 号方が作られ、これを基に還元顆粒が日本で創成された。
近年本製剤について抗認知活性やその臨床応用が多数報告されているのでそれらについても概説する。