生薬解説(屠蘇)

薬酒(屠蘇)

屠蘇散の由来は、最古の記述は『小品方』(晋・陳延之 ちん えんし)に記
載があります。
「屠蘇酒は、此れ華陀の方(処方)なり。以って伝えて曹武帝(三国魏の曹操)
に授け、専ら世に行わる。元旦、之を飲めば疫癘(えきれい)一切の不正の気
を避く」1400 年前の屠蘇散の処方内容が掲載されています。
日本には、今から約千二百年前 811 年(弘仁 2 年)平安時代 嵯峨天皇の時、 唐
から医師博士「蘇命」が和唐使として来朝し、「屠蘇白散」という薬を嵯峨天皇
に献上して以来、天皇が元日から三日間、お神酒に浸して用いたのが始まりで
す。
今回は今までの屠蘇の実習体験と、時代に合わせて食品による屠蘇を考える
事をテーマにします。食品であれば当然薬効を表記は出来ませんが、本来の意
味を十分に理解して、どうアレンジすれば良いかを《雑病源流犀燭》(ざつびょ
う げんりゅう さいしょく)も踏まえて話させて頂きます。
屠蘇飲 〈屠蘇酒(二)〉
【配方】白朮 54 克,大黄、桔梗、川椒、肉桂各 45 克,
虎杖根 36 克,川烏 18 克。
【制法】将上薬為末,装入絹袋中,元旦前一日,将盛有薬物的絹袋沉入井底,
第 2 天正月初一早晨取薬,浸入一瓶清酒中,煮数沸后飲用。
【主治】預防瘟疫等伝染病。
【用法】适量飲用。
【説明】川烏含有烏頭碱,属劇毒成分,一定要使用泡制過的烏頭,
并応掌握用量,以保征用薬安全。
【摘自】《雑病源流犀燭》

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