処方解説~「証」について~

【漢方とは?】
漢方とは一言でいうと「気」の医学である。病気とは、「気が病む」ことである。
漢方は、「気の状態(気の異常)」=「証」を知り、気の状態を正す医学である。
漢方(東洋医学)を理解するには、「気の概念」を理解しなければならない。
現代医学では気は理解されていないので「気の状態」を知ることは出来ないが、漢方は東洋思想である
「陰陽五行論」を理解することで「気の状態」=「証」を知ることが出来る。
【気の概念】
気は、人体を構成する最も基本的な「物質」であり、生命を維持する為に必要不可欠な「機能」である

狭義(狭い意味で)の気は、「温める」「流れる」などの「機能」であり、物質ではない。気が人体に
存在するには「物質」化していなければならないが、その為の素材として「津液」「血」がある。
【証について】
「証」とは「気の状態(気の異常)」を、陰陽五行論をベースとした漢方的な物差しで分析することで
ある。具体的には、気の異常の「性質」「位置」「原因」を探ることである。
性質・・・「気の量の異常」「気の質の異常」「気の流れの異常」
位置・・・「表(外殻)」「半表半裏(胸・膈・心下)」「裏(胃・臓腑)」
原因・・・「邪の存在」「水湿痰飲・瘀血の存在」「陰陽・五蔵のバランスの乱れ」
【弁証論治】
「気の状態(気の異常)」を分析し、「証」を知る目的は、気の状態を正し病気を治療する手段を導く
ためである。治療には、湯液、鍼、灸、あんま、生活習慣の改善、食生活の改善等がある。薬物療法は
治療手段の1つであり、生活習慣の改善、食生活の改善等も取り入れることで治療の幅が広がる。その
為には陰陽五行論をしっかりと理解しなければいけない。
【処方構成の意味】
薬物療法の目的は、気の異常の「原因」を取り除くことである。
「邪の存在」・・・邪を駆逐する
「水湿痰飲・瘀血の存在」・・・駆逐するか、元の場所に戻す
「陰陽・五蔵のバランスの乱れ」・・・バランスを整える